その人に合った場所って?~認知症利用者が自分に合ったデイサービスを利用するまで~
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その人に合った場所って??
親が認知症になったらどうしよう。
認知症になったらどんな方法、サービスを利用しながら自宅で過ごしていくのか?
そういった不安を抱えている方もいらっしゃるかと思います。
私たちケアマネジャーは、利用者様が自宅で生活するために、
主治医、介護サービス事業所、関係機関と連携し、
利用者様、ご家庭の課題やニーズに合わせて、様々なサービスの調整を行う専門職です。
今回は、利用者様に合ったデイサービスの利用をお手伝いさせていただいた事例を紹介いたします。
利用している介護保険サービスの内容を紹介します。
認知症の方には人数が少ないデイサービスが良い??
デイサービスと一口に言っても、色々な特色を持った事業所があります。
デイサービスは規模によって分かれており、
大規模なデイサービス、小規模なデイサービスがあります。
大規模デイサービスとは・・・。
1日の利用定員が26名以上のデイサービスをさします
1日の人数が多いため、レクリエーションも大規模なものになります。
また、終始にぎやかな雰囲気でコミュニケーションも活発になります。
小規模デイサービスとは・・・。
1日の利用定員が10名ほどのアットホームな雰囲気で、
利用者と職員との距離が近く、一人ひとりの状態に合わせて、じっくりと向き合ったサービスです。
一般的に、認知症を抱える利用者は、家庭的で少人数である小規模デイサービスが
馴染みやすいと言われています。
人数が少ないデイサービスがすべての人に合うかはわからない。
この方の場合、
もともと近所の方の鉢植えを無断で持ち帰る、
昼夜を問わず徘徊をしていました。
これでは介護者が目を離せず介護負担が大きくなります。
- そういった事情から、小規模デイサービスの利用を行っていましたが、
「物を盗る欲求が抑えきれない。」
「デイサービス利用中も落ち着かず、何度も夫へ電話する。」
など、様子は変わりませんでした。
人数が少ない小規模デイサービスがすべての人に合うとは限りません。
このような状況では、
本人も家族も負担が大きくなり自宅生活の継続が難しいものとなります。
自宅生活をするために、会議や相談を何度も行います。
サービスを利用して、利用者様の生活の改善、介護負担の軽減が変わらないのであれば、
会議やサービス利用継続の検討が必要になってきます。
この方の場合、
夫だけでは負担が大きくなり、
介護や生活がままならない状況になっていた為、
- 息子夫妻を交えた会議の開催。
- 主治医の先生へ相談する。
の提案を行いました。
話し合いの結果、
夫や家族の意向を尊重しつつ、
主治医が同じ建物にいる大規模デイサービス(デイケア)を
利用する事になりました。
このように何か困りごとが起きた時は、
ケアマネジャー中心となって、
主治医、サービス事業所などの関係機関と
解決に向けて話し合いを重ねます。
決して1人だけ、家族だけで悩むことはありません。
この事例で実際に利用した大規模デイサービス(デイケア)とは、
認知症専門デイケアの事を指します。
この認知症デイケアとは、
- ・認知症により物忘れや生活のしづらさがある方。
- ・今まで利用してきたデイサービスが継続できない方。
など、認知症の介護をされているご家族が、
住み慣れた家での生活で認知症による困りごとを一緒に考え、
日中の見守りや、日常生活の支援を受けることができる
医療保険で提供されるデイサービスです。
ケアマネジャーは自宅訪問で状況確認を行います。
大規模なデイサービス(認知症デイケア)の利用が始まった後も、
ケアマネジャーは状況の確認の為、
定期的な訪問を行いながら本人やご家族にお話を伺います。
※要介護認定をお持ちの方は、ケアマネジャーが毎月訪問し状況の確認をいたします。
小規模デイサービスを利用していた時は、
自宅と同じような感覚で過ごしていた為、
「物を盗る」、「落ち着かない状況」が続いていました。
大規模デイサービスを利用すると、
自宅と違う環境と認識する事で気持ちの切り替えが出来ていた、
「お稽古に行ってくる」と言われるなど、
社会性が発揮されることで、
以下のような変化が見られ
自宅で生活を送ることが継続出来るようになりました。
- 「デイサービス利用中は帰宅願望の訴えがなくなった。 」
- 「デイサービスの備品の持ち帰りをしなくなった。 」
- 「他利用者とも馴染んでいる。 」
- 「本人も嫌がらずに行っている。 」
- 「家族は自分の時間が取れるようになった。 」
- 「自宅での様子は変わりない・・・。」
ここち良いデイサービスは人によって違う。
「ここち良い」とは、気持ちが良いこと、快適であることです。
「ここち良さ」は、ほんの些細な「さりげなさ」です。
本人の社会性が発揮されたことが、
落ち着いてデイサービスを過ごす要因になったと思います。
ケアマネジャーは利用者様、ご家族が自宅で生活するための相談役。
ケアマネジャーは、本人の自主性を尊重し、
本人が「通いたい」と思える環境に巡り合えるサービスの調整を行う専門職です。
介護でお悩みの方はお最寄りの事業所へご連絡ください。
お電話の際は「ホームページを見た」ことをお伝えいただくとスムーズです。